Gwent(グウェント) 日本語ブログ

Gwent(グウェント)についてのコラムやニュース、カード評価について載せていきます(予定)

2019年のグウェントのメタ環境を振り返る~後編~

前回の記事

gwent.hatenablog.jp

の続きです、後編。

 

~新拡張セット「ノヴィグラド」追加~

「gwent novigrad」の画像検索結果

6月末に新拡張セット「ノヴィグラド」が実装された。事前の公式生放送で予告されていた通りグウェント6つ目の新勢力である「シンジケート」のリーダー5人(殺人報酬ジャックポット横領集会ワイルドカード)とカード約80枚が追加された。その他には新要素である二重勢力カードもこの時に追加された。また、日本語音声がグウェントから削除されてしまったのもこの時である。

ノヴィグラドのギャングに蹂躙されていく既存勢力

新勢力という事もありシンジケートがある程度強いだろうというのは事前に予想されていたが、蓋を開けてみるとその強さは想像以上だった。

相手に干渉されず戦力値を疑似的に蓄えておける「コイン」システム、ベース戦力値が高いユニットを出すほど破壊された時のリスクが高くなる「懸賞金」、更に大型破壊や強奪もでき、《ウィッチハンターの処刑人》《海の野盗》のような優秀なブロンズカードもあった。シンジケートの強さは既存勢力を遥かに凌駕していたのである。

新勢力とはいえ流石にこれは強すぎたと開発も判断したのか、案の定1週間でシンジケートのキーカード《シギ・ルーヴェン》《カレブ・メンジ》《ホアソンの見世物》などがナーフされた。

シンジケートの弱体化後は多少環境が落ち着きスケリッジの不具のハラルド(現:風切連撃)やスコイア=テルのブルーヴァー・ホーグ(現:ゲリラ戦術)フランチェスカ・フィンダベア(現:神秘の残響)などが使用され始めたが、それでもなおシンジケート勢はTier上位をキープし続けた。

 

~北方諸国&ブロンズカードリワークアップデート~

画像

シンジケートの登場により最も窮地に立たされたのは北方諸国であった。北方諸国の特徴のひとつである《命令》ユニットや《チャージ》ユニットはシンジケートの《謝礼》ユニットに比べるとあまりに弱いのではないか?との議論がなされたのである。それ以前からも北方諸国のリワークは検討されていたが、シンジケートの登場がそれを後押しする要因となったことは間違いないだろう。

そして議論は既存5勢力(モンスター、ニルフガード、北方諸国、スコイア=テル、スケリッジ)のブロンズカードについてもなされた。シンジケートのブロンズカードに比べ既存勢力のブロンズカードは全体的にカードパワーが低く、それがシンジケート1強環境の原因になっているのではないか?という話だ。

それを踏まえて7月末に北方諸国と既存勢力のブロンズカードの大幅リワークを含むアップデートがなされた。

生まれ変わった北方諸国、ディクストラの覇権

大幅リワークにより生まれ変わった北方諸国はもはや別勢力と言っても過言ではないくらいに強くなった。特に強くなったアーキタイプフォルテスト王(現:激情)のリーダーアビリティに《ロッシュ:冷血漢》《刺青隊の精鋭兵》を採用しフィニッシャーに《ドラウグ》を用いるフォルテストドラウグデッキであった。

一方、シンジケートには新リーダーとしてシギスムンド・ディクストラ(現:巨富)が追加された。彼のリーダーアビリティは当初以下のようなものだった、

命令コイン1枚を得る。(チャージ:5)
あなたが「犯罪」カードをプレイするたび、1チャージを得る。

チャージにより、実質的に貯蓄上限である9枚を超えてコインを溜めることができるこのリーダーアビリティは非情に小回りが利き便利であった。そのため、1強とは言われつつも《殺人報酬》ジャックポット》《横領》と分散していたシンジケートのリーダーアビリティが、シンジケートを使うならディクストラ一択と言われるほどにまでなってしまったのである。

また、ディクストラのリーダーアビリティと当時クールダウンの無かったイゴール:フック》《市民》の組み合わせも凶悪だった。戦力値二桁に育った《市民》が1ターンで何体も並ぶ光景はまさに悪夢であった。

ブロンズカードリワークの影響

ブロンズカードがリワークされた影響は北方諸国だけではなく他勢力にもでていた。特に影響が大きかったのはニルフガードで、《馬上試合》のダメージ量が3→4に、《暗殺》のコストが6→5に変更されたことでアーダル・エプ・デヒー(現:奴隷化)戦術ニルフデッキが大幅に強化されたのだ。また戦術ニルフの進化系として、デッキを圧縮し《ティボル・エッゲブラフト》《イェネファー:占事》《ザーシシウス》で公開する超圧縮公開ニルフ(ティボルニルフ)なるデッキも登場した。

シンジケートによって結果的に環境に劇的な変化が訪れた8月であったが、総括するとこの環境は「フォルテストドラウグ」「ディクストラ」「戦術ニルフ」の三つ巴環境であったと言えるだろう。

 

~吸血鬼リワークアップデート~

画像

8月末にフォルテスト王(現:激情)シギスムンド・ディクストラ(現:巨富)がそれぞれ弱体化されるアップデートが入った。また同時に4月に弱体化されてから長らく放置されていたデトラフ・ファン・デル・エラティン(現:血の匂い)に調整が入り、吸血鬼ユニットと相性の良い現在のリーダーアビリティになった。

フランチェスカの台頭

フォルテストとディクストラが弱体化されたことで前環境で三つ巴を演じていたアーダルが一気に環境トップになるかと思われたが、ここで思わぬ伏兵がTier1に躍り出ることとなる。

そう、フランチェスカ・フィンダベア(現:神秘の残響)である。以前の彼女のリーダーアビリティは『自軍墓地にあるスペシャルカード1枚をプレイする。』というものだったが、リワークされ『自軍墓地にある「スコイア=テル」スペシャルカード1枚をプレイする。』というものになった。そして同時に構築コスト上限値が13から15になったことで格段と使い易いリーダーとなったのだ。《ブロキオンの水》を使いまわすこの調和フランチェスカデッキは、そのプレイングの容易さと強さから多くのプレイヤーに好まれあっという間に環境に広まった。そして、スコイア=テルの天下はここから長らく続くことになる…。

9月中旬にはグウェント3つ目の新拡張セットとなる「鉄の裁定」が発表された。

 

~新拡張セット「鉄の裁定」追加~

画像

10月頭に新拡張セット「鉄の裁定」が実装された。この拡張セットでは「アーマー」「遮断」「無防備」などの新要素が追加されると共に、各勢力に1枚ずつ「守護者」を持ったカードが追加された。

ゲームプレイに直接関係のないところではリーダースキンとリーダーアビリティがこの時のアップデートで分割された。またログインボーナスが実装されたのもこのアプデの時である。

強すぎたドワーフ軍団

約90枚の新カードのうち、特に強力だったのがスコイア=テルのドワーフ関連のカードであった。ゾルタン:戦士》《マンロウ・ブリュイス》《フィギス・マーラッツォ》のレジェンダリーユニット三銃士や、4コスで7点分の働きをするドワーフの狂戦士》が追加されたことでドワーフ軸が大幅強化されたのであった。

リーダーアビリティの神秘の残響《ノヴィグラド流の正義》を使いまわし、ドワーフの傭兵》ドワーフの狂戦士》を増殖させるムーブが非常に凶悪で、ドワーフデッキを一気にTier1へと押し上げた。

そしてドワーフデッキが暴れすぎた結果、案の定1週間で調整が入り、神秘の残響ゾルタン・シヴェイ》バークレー・エルス》などが弱体化されたのであった。

《門》が大流行

ドワーフデッキはナーフされたものの依然としてTier上位に留まった。なぜなら、ドワーフデッキの根本的強さは《ノヴィグラド流の正義》によるドワーフの傭兵》又はドワーフの狂戦士》の増殖ムーブにあったからだ。そして、この頃からエンジンユニットを同時に複数展開するムーブが他勢力でも流行りだした。例えばシンジケートでは《狡猾な悪女》を、モンスターでは《ガルカイン》を、ニルフガードでは《ナウジカ旅団の兵士長》を、北方諸国ではレダニア騎士》をそれぞれ《門》から召喚した。スケリッジはと言うと…残念ながら特に強い4コスエンジンユニットが無かったため、《門》を採用するデッキは稀だった。

 

iOS版の配信開始~

「gwent」の画像検索結果

10月29日には長年の開発期間を経てついに待望のiOS版グウェントが配信された。これにより誰でも気軽にグウェントが遊べるようになった。

スコイア=テルとシンジケートが環境トップへ

iOS版リリース時のアプデにより《門》の構築コストが1上げられたが、それでもなお様々なデッキで《門》は採用された。

そしてiOS版が出た後、環境を支配したのはスコイア=テルとシンジケートであった。スコイア=テルはドワーフ調和軸スペル軸が、シンジケートは門有り悪女型門無し型がそれぞれ環境トップに立った。また、Tier2には吸血鬼モンスター挟撃北方奴隷化ニルフが名を連ねた。

 

〜新拡張セット「オフィルの商人」追加〜

画像

12月5日、公式生放送において非常に残念なお知らせが発表された。CS版グウェントアップデート終了のお知らせだ。これによりCS版グウェントユーザーはPC/iOS版への移行を余儀なくされた。

そして12月9日、事前の告知無しに突如新拡張セット「オフィルの商人」が追加された。

この拡張セットでは「脚本」と呼ばれる新たなシステムを持つアーティファクトや「ユニット」「スペシャル」「アーティファクト」に続く4つ目のカードタイプである「ストラタジェム」が実装された。

 

結びに

2019年はグウェントにとって様々な事が起きた年でした、良い事は4つも拡張セットが追加されたことやiOS版がリリースされたこと、悪い事は日本語音声やCS版のサービスが終了したことです。2020年のグウェントがどうなるかはまだ見当もつきませんが、更に競技人口が増えゲームとして発展することをただ願うばかりです。

私はウィッチャー3からグウェントを知ったプレイヤーなので、グウェントのカードによりウィッチャーの世界観が補完されていくのが非常に楽しみです。

これからも自分の出来る範囲でグウェントを盛り上げていきたいと思います。最後まで長文をご覧いただきありがとうございました、また次の記事でお会いしましょう!

 

Tier参考URL:

https://teamleviathangaming.com/category/gwent-meta/

https://teamaretuza.com/?query=meta#search-title