グウェント1月(v5.1.0)のアップデート・カード調整予想
1月9日の午後6時にシーズン・ワイルドハントが終了します。
シーズンの変わり目にはアップデート(v5.1.0)が入り環境を改善するための調整が行われるのが定例となっています。
今回どんなカードが修正されるのか、大雑把ではありますが予想してみました。
予想の前にこれまでのグウェント運営のカード調整の傾向を振り返って見たいと思います。
- 使用率が高く汎用性のあるニュートラルカードは下方修正される
- Tier1デッキのキーカードは容赦なく下方修正される
- でも誰もが下方修正されるだろうと思っていたら何故か許されるカードがある
- リーダーアビリティが下方修正された時は同一勢力のあまり使われていないリーダーアビリティが上方修正される
- 使用率の低い勢力は積極的に上方修正される
- 誰も使ってないレジェが上方修正される
- 誰も使ってないカードが突如リワークされて強カードになる
以上の傾向を踏まえたカード調整の大雑把な予想がこちらです。
※完全に個人の意見・感想です
《ニュートラル》
- レイデヤ 構築コスト10→12
- マラアル「配備:敵軍ユニット2体に毒を与える。」にアビリティ変更
- ギンピー・ガーウィン リワーク?
- ゴウンター・オーディム リワーク?
環境デッキの多くで採用され、最大で10コスト13点というハイパフォーマンスを誇る《レイデヤ》は下方修正を免れなさそう。また、シンジケートやニルフガードで多く採用され《ゴウンター・オーディム》の実質上位互換とも言われている《マラアル》も下方修正もしくは効果の変更をされる可能性は高そう。
《ランバート:剣士》の登場で完全に出番が無くなった《ギンピー・ガーウィン》や《マラアル》登場以前からそもそもあまり使われていない《ゴウンター・オーディム》あたりはリワークされても良いのでは。そして《マッタ・ヒューリ》はなんだかんだスルーされそう。
《スコイア=テル》
- 死んだふり 構築コスト12→13
- ブロキオンの水 以前のアビリティに変更
※以前のアビリティ
《駆け出しのドリアード》1体を生成して何れかの自陣列に召喚する。自陣に「ドリアード」ユニットがある場合、代わりに《駆け出しのドリアード》2体を生成して何れかの自陣列に召喚する。
- エトリエル 戦力値4→3
- ムアレガ 戦力値4→3
- イオルヴェス 戦力値3→4
- エイブヒア・ハットリ リワーク?
- エレヤス リワーク?
前環境から長きに渡りTier1の座を守り続けているスコイア=テルには「神秘の残響」「急所攻撃」「調和の呼び声」それぞれのデッキタイプに対して修正が入りそう。なかでもどのデッキタイプにも採用されている《エトリエル》と《ムアレガ》はユニキロやボルソディ兄弟が弱体化された歴史を鑑みるに下方修正される可能性が高いのでは?と思う。
逆にあまり使われていない罠デッキのキーカードが上方修正されたり、全く使われていない《エイブヒア・ハットリ》《エレヤス》あたりがリワークされたら面白そう。
《北方諸国》
- 挟撃 構築コスト上限値15→14
- 邪悪な刃 構築コスト上限値15→17 もしくはリワーク?
- 包囲攻撃 コスト14→15
- 一斉射 コスト5→6
- 戦象 コスト12→11
- サブリナの獄炎 コスト8→7 もしくはリワーク?
《シンジケート》
- ワイルドカード 構築コスト上限値15→14
- 集会 構築コスト上限値16→17
- 共謀 構築コスト12→11
- ホアソン・シニア 戦力値6→7
スコイア=テルだけを下方修正してしまうと、北方諸国とシンジケートの2強状態になってしまうためこれらも同時に下方修正されそう。特にこの2勢力は使用されているリーダーアビリティがほぼ《挟撃》《ワイルドカード》と偏っているため、それを是正するためにも《挟撃》《ワイルドカード》の下方修正とあまり使われていないリーダーアビリティの上方修正が来るのではないかと思う。
また北方諸国はシールド軸の新カードが多数追加されたものの全く流行らなかったため《戦象》あたりは上方修正がきても良さそうではある。シンジケートの新カード《共謀》も同様。
《ニルフガード》
- ヴライエフ 戦力値3→4
- ヴリームド 戦力値4→5
ニルフガードは現状維持…?今のニルフガードは《レイデヤ》と《マラール》に大きく依存しているデッキタイプが多いのでそれらが下方修正されれば間接的に弱体化されることになるが。個人的には《ヴライエフ》や《ヴリームド》を上方修正して兵士軸を強化してほしい。
《スケリッジ》
- 献身的犠牲 構築コスト上限値15→16
- スヴァルブロドのトーテム 構築コスト10→9
- ヴァビョルン 構築コスト9→8
- ヒム 構築コスト8→7
《モンスター》
- ハウント 構築コスト14→13
- ペニテント 成長削除 戦力値2→4
- ゲールズ 戦力値5→6
- 儀式の生贄 構築コスト10→9
- タッターウイング 構築コスト8→7
使用率はそこそこあるけどあまり強くないスケリッジと、そもそもの使用率が低そうなモンスターは共に上方修正されそう。スケリッジは《再活性》以外のリーダーアビリティがあまり使われていないため《献身的犠牲》あたりが上方修正されたら面白そうだ。
モンスターは《死の影》のアビリティ変更により遺言軸のデッキが消滅してしまったため、《ゲールズ》や《儀式の生贄》《タッターウイング》の強化によって再び遺言軸が復活してほしいと思う。
まとめ
今回のアップデートは公式生放送等の告知もされていないので小規模なものになると思われますが、それでも環境が変わるのは楽しみですね。個人的にはスコイア=テルがどの程度弱体化されるのかという事と、不遇なスケリッジが救われるのか否かという事に関心があります。上手い調整を期待したいですね!
2019年のグウェントのメタ環境を振り返る~後編~
前回の記事
の続きです、後編。
~新拡張セット「ノヴィグラド」追加~
6月末に新拡張セット「ノヴィグラド」が実装された。事前の公式生放送で予告されていた通りグウェント6つ目の新勢力である「シンジケート」のリーダー5人(殺人報酬、ジャックポット、横領、集会、ワイルドカード)とカード約80枚が追加された。その他には新要素である二重勢力カードもこの時に追加された。また、日本語音声がグウェントから削除されてしまったのもこの時である。
ノヴィグラドのギャングに蹂躙されていく既存勢力
新勢力という事もありシンジケートがある程度強いだろうというのは事前に予想されていたが、蓋を開けてみるとその強さは想像以上だった。
相手に干渉されず戦力値を疑似的に蓄えておける「コイン」システム、ベース戦力値が高いユニットを出すほど破壊された時のリスクが高くなる「懸賞金」、更に大型破壊や強奪もでき、《ウィッチハンターの処刑人》や《海の野盗》のような優秀なブロンズカードもあった。シンジケートの強さは既存勢力を遥かに凌駕していたのである。
新勢力とはいえ流石にこれは強すぎたと開発も判断したのか、案の定1週間でシンジケートのキーカード《シギ・ルーヴェン》《カレブ・メンジ》《ホアソンの見世物》などがナーフされた。
シンジケートの弱体化後は多少環境が落ち着きスケリッジの不具のハラルド(現:風切連撃)やスコイア=テルのブルーヴァー・ホーグ(現:ゲリラ戦術)、フランチェスカ・フィンダベア(現:神秘の残響)などが使用され始めたが、それでもなおシンジケート勢はTier上位をキープし続けた。
~北方諸国&ブロンズカードリワークアップデート~
シンジケートの登場により最も窮地に立たされたのは北方諸国であった。北方諸国の特徴のひとつである《命令》ユニットや《チャージ》ユニットはシンジケートの《謝礼》ユニットに比べるとあまりに弱いのではないか?との議論がなされたのである。それ以前からも北方諸国のリワークは検討されていたが、シンジケートの登場がそれを後押しする要因となったことは間違いないだろう。
そして議論は既存5勢力(モンスター、ニルフガード、北方諸国、スコイア=テル、スケリッジ)のブロンズカードについてもなされた。シンジケートのブロンズカードに比べ既存勢力のブロンズカードは全体的にカードパワーが低く、それがシンジケート1強環境の原因になっているのではないか?という話だ。
それを踏まえて7月末に北方諸国と既存勢力のブロンズカードの大幅リワークを含むアップデートがなされた。
生まれ変わった北方諸国、ディクストラの覇権
大幅リワークにより生まれ変わった北方諸国はもはや別勢力と言っても過言ではないくらいに強くなった。特に強くなったアーキタイプはフォルテスト王(現:激情)のリーダーアビリティに《ロッシュ:冷血漢》や《刺青隊の精鋭兵》を採用しフィニッシャーに《ドラウグ》を用いるフォルテストドラウグデッキであった。
一方、シンジケートには新リーダーとしてシギスムンド・ディクストラ(現:巨富)が追加された。彼のリーダーアビリティは当初以下のようなものだった、
命令:コイン1枚を得る。(チャージ:5)
あなたが「犯罪」カードをプレイするたび、1チャージを得る。
チャージにより、実質的に貯蓄上限である9枚を超えてコインを溜めることができるこのリーダーアビリティは非情に小回りが利き便利であった。そのため、1強とは言われつつも《殺人報酬》や《ジャックポット》《横領》と分散していたシンジケートのリーダーアビリティが、シンジケートを使うならディクストラ一択と言われるほどにまでなってしまったのである。
また、ディクストラのリーダーアビリティと当時クールダウンの無かった《イゴール:フック》、《市民》の組み合わせも凶悪だった。戦力値二桁に育った《市民》が1ターンで何体も並ぶ光景はまさに悪夢であった。
ブロンズカードリワークの影響
ブロンズカードがリワークされた影響は北方諸国だけではなく他勢力にもでていた。特に影響が大きかったのはニルフガードで、《馬上試合》のダメージ量が3→4に、《暗殺》のコストが6→5に変更されたことでアーダル・エプ・デヒー(現:奴隷化)の戦術ニルフデッキが大幅に強化されたのだ。また戦術ニルフの進化系として、デッキを圧縮し《ティボル・エッゲブラフト》を《イェネファー:占事》や《ザーシシウス》で公開する超圧縮公開ニルフ(ティボルニルフ)なるデッキも登場した。
シンジケートによって結果的に環境に劇的な変化が訪れた8月であったが、総括するとこの環境は「フォルテストドラウグ」「ディクストラ」「戦術ニルフ」の三つ巴環境であったと言えるだろう。
~吸血鬼リワークアップデート~
8月末にフォルテスト王(現:激情)とシギスムンド・ディクストラ(現:巨富)がそれぞれ弱体化されるアップデートが入った。また同時に4月に弱体化されてから長らく放置されていたデトラフ・ファン・デル・エラティン(現:血の匂い)に調整が入り、吸血鬼ユニットと相性の良い現在のリーダーアビリティになった。
フランチェスカの台頭
フォルテストとディクストラが弱体化されたことで前環境で三つ巴を演じていたアーダルが一気に環境トップになるかと思われたが、ここで思わぬ伏兵がTier1に躍り出ることとなる。
そう、フランチェスカ・フィンダベア(現:神秘の残響)である。以前の彼女のリーダーアビリティは『自軍墓地にあるスペシャルカード1枚をプレイする。』というものだったが、リワークされ『自軍墓地にある「スコイア=テル」スペシャルカード1枚をプレイする。』というものになった。そして同時に構築コスト上限値が13から15になったことで格段と使い易いリーダーとなったのだ。《ブロキオンの水》を使いまわすこの調和フランチェスカデッキは、そのプレイングの容易さと強さから多くのプレイヤーに好まれあっという間に環境に広まった。そして、スコイア=テルの天下はここから長らく続くことになる…。
9月中旬にはグウェント3つ目の新拡張セットとなる「鉄の裁定」が発表された。
~新拡張セット「鉄の裁定」追加~
10月頭に新拡張セット「鉄の裁定」が実装された。この拡張セットでは「アーマー」「遮断」「無防備」などの新要素が追加されると共に、各勢力に1枚ずつ「守護者」を持ったカードが追加された。
ゲームプレイに直接関係のないところではリーダースキンとリーダーアビリティがこの時のアップデートで分割された。またログインボーナスが実装されたのもこのアプデの時である。
強すぎたドワーフ軍団
約90枚の新カードのうち、特に強力だったのがスコイア=テルのドワーフ関連のカードであった。《ゾルタン:戦士》《マンロウ・ブリュイス》《フィギス・マーラッツォ》のレジェンダリーユニット三銃士や、4コスで7点分の働きをする《ドワーフの狂戦士》が追加されたことでドワーフ軸が大幅強化されたのであった。
リーダーアビリティの神秘の残響で《ノヴィグラド流の正義》を使いまわし、《ドワーフの傭兵》や《ドワーフの狂戦士》を増殖させるムーブが非常に凶悪で、ドワーフデッキを一気にTier1へと押し上げた。
そしてドワーフデッキが暴れすぎた結果、案の定1週間で調整が入り、神秘の残響、《ゾルタン・シヴェイ》、《バークレー・エルス》などが弱体化されたのであった。
《門》が大流行
ドワーフデッキはナーフされたものの依然としてTier上位に留まった。なぜなら、ドワーフデッキの根本的強さは《ノヴィグラド流の正義》による《ドワーフの傭兵》又は《ドワーフの狂戦士》の増殖ムーブにあったからだ。そして、この頃からエンジンユニットを同時に複数展開するムーブが他勢力でも流行りだした。例えばシンジケートでは《狡猾な悪女》を、モンスターでは《ガルカイン》を、ニルフガードでは《ナウジカ旅団の兵士長》を、北方諸国では《レダニア騎士》をそれぞれ《門》から召喚した。スケリッジはと言うと…残念ながら特に強い4コスエンジンユニットが無かったため、《門》を採用するデッキは稀だった。
~iOS版の配信開始~
10月29日には長年の開発期間を経てついに待望のiOS版グウェントが配信された。これにより誰でも気軽にグウェントが遊べるようになった。
スコイア=テルとシンジケートが環境トップへ
iOS版リリース時のアプデにより《門》の構築コストが1上げられたが、それでもなお様々なデッキで《門》は採用された。
そしてiOS版が出た後、環境を支配したのはスコイア=テルとシンジケートであった。スコイア=テルはドワーフ軸、調和軸、スペル軸が、シンジケートは門有り悪女型と門無し型がそれぞれ環境トップに立った。また、Tier2には吸血鬼モンスター、挟撃北方、奴隷化ニルフが名を連ねた。
〜新拡張セット「オフィルの商人」追加〜
12月5日、公式生放送において非常に残念なお知らせが発表された。CS版グウェントアップデート終了のお知らせだ。これによりCS版グウェントユーザーはPC/iOS版への移行を余儀なくされた。
そして12月9日、事前の告知無しに突如新拡張セット「オフィルの商人」が追加された。
この拡張セットでは「脚本」と呼ばれる新たなシステムを持つアーティファクトや「ユニット」「スペシャル」「アーティファクト」に続く4つ目のカードタイプである「ストラタジェム」が実装された。
結びに
2019年はグウェントにとって様々な事が起きた年でした、良い事は4つも拡張セットが追加されたことやiOS版がリリースされたこと、悪い事は日本語音声やCS版のサービスが終了したことです。2020年のグウェントがどうなるかはまだ見当もつきませんが、更に競技人口が増えゲームとして発展することをただ願うばかりです。
私はウィッチャー3からグウェントを知ったプレイヤーなので、グウェントのカードによりウィッチャーの世界観が補完されていくのが非常に楽しみです。
これからも自分の出来る範囲でグウェントを盛り上げていきたいと思います。最後まで長文をご覧いただきありがとうございました、また次の記事でお会いしましょう!
Tier参考URL:
2019年のグウェントのメタ環境を振り返る~前編~
2019年のグウェントにおいてその当時流行ったTier1のデッキをアップデートやメタ環境の視点から振り返りたいと思います。
なおTierやデッキの強さについてはTeam Leviathan GamingとTeam Aretuzaの当時のメタレポートを参考に記述しています。
リーダーアビリティについては当時と現在、両方の呼び方を併記しています。【例:メーヴ女王(現:王の激励)】
~グウェントホームカミングリリース~
2018年10月23日に約2年間のβ期間を経て製品版グウェントがリリースされた。
アーティファクト、イグニ、焦土の全盛期
製品版グウェントリリース時のアーティファクトは構築コストが低く(例:祖先のエールが10コスト、ペトリの魔法薬が5コスト)、現在のようにデッキ構築時のユニット13体制限も無かったためアーティファクトを多くデッキに組み込んだデッキが流行った。
結果としてユニットが戦場に並ばず、代わりにアーティファクトが並ぶ状況となってしまい、当時のグウェントユーザーはこれを「絵画展」と揶揄して呼んだという。運営はこの状況を深刻に見たのか、2週間後にはアーティファクト全般に調整が入り構築コストが1~3上げられることとなった。
その後は《ゲラルト:イグニ》や《焦土》、《竜の夢》などを軸としたコントロールデッキが流行った。しかし12月のCS版グウェントリリースと同時にこれらもナーフされ《ゲラルト:イグニ》は列の合計戦力値が15→20へ、《焦土》はコスト11→14へ、《竜の夢》はコストが9→12へと変更されたのであった。
~マリガンアップデート~
2019年1月10日にマリガンアップデートが配信された。これにより今までマリガンの回数でリーダーアビリティ間の強さを調整していたものが、構築コスト上限値で調整するようになった。
~奪われし玉座リーダー追加~
1月末には奪われし玉座のリーダーであるメーヴ女王(現:王の激励)、アーダル・エプ・デヒー(現:奴隷化)、エルデイン(現:闇討ち)、ゲルニコラ(現:ヤスギスの果実)、父殺しのアーンヨルフ(現:父殺しの憤怒)の5リーダーが追加された。
ゲルニコラの登場とビッグモンスターの盛隆
奪われし玉座の新リーダーのうち、最も環境に影響を及ぼしたリーダーは間違いなくゲルニコラ(現:ヤスギスの果実)だろう。それまでも決して弱くはなかったビッグモンスターがこのリーダーアビリティの登場によって更に強くなったのである。
《ネッカー》《アーチスポア》《ドラウナー》などのコスパの良い成長持ち低コスブロンズユニットと、《オールドスピアチップ》《カールドウェル伯爵》《ゴリアテ》《オズレル》などを中心とした高戦力値ユニットの暴力は当時の流行デッキの中で群を抜いて強かった。ゲルニコラをメタるために《ハンマーヴィンの蒼夢》を採用するデッキまであったほどだ。間もなくしてゲルニコラは構築上限コストが下げられる弱体化を受けたが、ビッグモンスターの時代はこれで終わることはなかった。
時期を同じくして破棄スケリッジもTier1に名乗りを上げた。このデッキの特徴は、リーダーのブラン・テルショック(現:献身的犠牲)と《ヘイマイの吟遊詩人》や《ビルナ・ブラン》の効果によってカードを破棄し、手札を回すことでデッキをほぼ引ききれることであった。例えば《ディメリティウム爆弾》や《胞子》などの特定の相手には刺さるが腐ることも多いメタカードを、必要が無くなった際に破棄の対象にし手札から捨てることで、相手に応じて無駄なく柔軟なゲームプランを立てられるのが強みであった。
また環境後期には《リッピー・ガドムンド》を採用した「ミラクルリッピー」なるデッキも登場した。
~紅き血の呪縛追加~
3月末にグウェント初の拡張セットである「紅き血の呪縛」が実装された。
吸血鬼やドリアード、同化、調和、自傷シナジーといったそれぞれの勢力において欠けていたアーキタイプが強化されると共に、出血、活力、シールド、毒、浄化などの状態が新しく追加された。
また5人の新リーダー、デトラフ・ファン・デル・エラティン(現:血の渇き)、アンナ・ヘンリエッタ(現:懐柔)、ダナ・メービ(現:調和の呼び声)、キャランセ女王(現:挟撃)、スヴァルブロド(現:熊の儀式)が追加された。
狼流派ウィッチャー三人衆の終焉、デッキ圧縮からサーチの時代へ
この拡張セット追加と同時に入ったアップデートにより、製品版グウェントリリースから約半年間第一線で活躍してきた《ヴェセミル》《エスケル》《ランバート》(通称:狼流派ウィッチャー三人衆)が大幅ナーフされた。
最初は7コス4点だった彼らも8コス2点になり、とうとう使い物にならなくなってしまったのである。また《ローチ》も9コスから10コスとなりニュートラルのお手軽デッキ圧縮カードが軒並み弱体化されることとなった。
逆に《勅令》や《ウィスペス:生贄》《メノ・クーホルン》《エルミオン》等の構築コストが下げられ、この頃からデッキ圧縮カードの代わりとしてサーチカードがよく使われるようになった。
強すぎたリーダー:デトラフ・ファン・デル・エラティンが速攻ナーフ
新リーダーであるデトラフ・ファン・デル・エラティン(現:血の匂い)のアビリティは実装当時以下のようなものだった
命令:ユニット1体に2ダメージを与える。(チャージ:3)
追撃:《エキムマーラ》1体を生成して無作為に選んだ自陣列に召喚する。
※エキムマーラは戦力値2のバニラユニット
汎用性の高い2点ダメージ×3回、更に追撃という条件はあるものの追加で得られる2点×3体、戦力値換算で合計12点分にもなるデトラフのアビリティの強さは瞬く間に広まり、ランクマッチはデトラフだらけとなってしまった。
何より問題であったのは、当時ダメージを与えるユニットのコストが現在より全体的に低く、デトラフのリーダーアビリティの強さと合わさって相手の出すユニットを延々と除去するだけで勝ててしまうということだった。エンジンユニットは出しても即除去されるため全く息をしておらず、この除去環境は後攻有利という問題も引き起こしていたのである。
当然、緊急ナーフが1週間で入りリーダのデトラフ・ファン・デル・エラティンは与えるダメージが2から1となり殆ど使われなくなってしまった。また、《デトラフ:上級吸血鬼》の復活回数が3回→2回と弱体化されたのもこの時である。
デトラフ弱体化後は追撃ユニットを多く入れたイースネ(現:急所攻撃)や破棄スケリッジ、ビッグモンスターなどのデッキが群雄割拠していたが、相変わらずダメージを与えるユニットが強い除去環境は変わらず、エンジンユニットを多く抱える北方諸国は苦戦を強いられるのであった。
~ニルフガードアップデート~
5月にはニルフガードアップデートと称した調整が入り、主にニルフガードの公開シナジーがテコ入れされた。リーダーのモルヴラン・ブーヒス(現:帝国陣形)や公開シナジーを持つカードが、兵士シナジーを持つカードへと大幅にリワークされたことで実質的に公開シナジーは消滅した。
ニルフガードはテコ入れされたが…
ニルフガードアップデートによって公開シナジーを持っていた産廃カードが兵士シナジーへとリワークされたものの兵士ニルフがTier上位に立つことはなかった。依然としてニルフガードの主流はミッドレンジニルフと呼ばれる中コストユニットを多く採用し、シナジーなど関係なくそれぞれが単体で活躍するカードを詰め込んだデッキであった。
しかし、そのミッドレンジニルフでさえ他の勢力に比べると弱かった(当時のTeam Leviathan Gamingのメタレポートでニルフガードは5勢力中最下位、不遇と言われていた北方諸国よりも評価が低かった)。この時代はまさにニルフガード冬の時代と言えるだろう。
破棄スケ、ビッグモンスターの時代の終わり
そして同時に長きに渡り環境トップに居座り続けてきた破棄スケリッジ、ビッグモンスターに調整が入ったことで遂に両者の時代が終わりを告げることとなった。特にこの調整の影響を大きく受けたのは破棄スケリッジで、リーダーアビリティのブラン・テルショック(現:献身的犠牲)やキーカードの《ビルナ・ブラン》、《コーラル》が弱体化されたことで一気にTier1から転げ落ちることとなってしまった。
スケリッジ全盛期の到来
上記の2デッキが弱体化されたと同時に台頭してきたのは、構築コスト上限値が増えたことで強化されたスケリッジのリーダー、スヴァルブロド(現:熊の儀式)と不具のハラルド(現:風切連撃)であった。
《オラフ》や《ヴィルドカール》などの高戦力値ユニットを有し、ビッグモンスターのように立ち回れるスヴァルブロドデッキと、《双斧のダグル》と自身のリーダーアビリティのコンボによりラスト1手で20打点も出せる不具のハラルドデッキの強さは凄まじかった。両者とも構築コストが上がったことで序盤・中盤・終盤と隙のない動きが出来るようになったのである。
その他にはアラキス・クイーン(現:アラキスの群れ)やブルーヴァー・ホーグ(現:ゲリラ戦術)、簒奪者(現:封鎖)等のデッキが、スケリッジをメタるために使われたがいづれも打ち負かすには及ばず、結果的にスケリッジが環境を牛耳ることとなった。
そして、スケリッジ環境に皆がうんざりしていた6月上旬に新拡張「ノヴィグラド」の追加が予告された。同時に新勢力「シンジケート」の追加も告知され、これにユーザーは大きな期待を寄せた。
だが、新勢力の登場によって良くも悪くもグウェントの環境が一変することをユーザーは後に知ることとなる。そしてスケリッジがTier1に立つことはこれ以降無かったのである…(後編へ続く)
↓各デッキの当時の強さはこちらのメタレポートを参考にしました
グウェント カード背景・設定トリビアその2~オフィル~
12月9日にグウェント4つ目の拡張セット「オフィルの商人」が事前情報無しに突如配信されました。
この拡張セットでは「ストラダジェム」「シナリオ」などの新要素の他にタイトルのテーマ通り“オフィル”に関するカードが複数追加されました。
今回の記事ではその“オフィル”についてスポットライトを当てて解説したいと思います。
※注意 この記事には「ウィッチャー3 ワイルドハント DLC1 無情なる心」のネタバレを含みます
そもそもオフィルとは何?
オフィルはニルフガード帝国のさらに南、海を越えた先の大陸に存在する様々な王国や部族からなる君主制国家です。1270年代にマリク(君主号のひとつ、一般的に支配者という意味)によって統一されました。ノヴィグラドやシダリスとは異なり貿易で頻繁に北方諸国と接触することはなく、北方人にとってオフィルは未だ多くの謎に包まれた土地であるそうです。
グウェントの「オフィルの商人」報酬手帳には以下のような記述があります。
一般的な北方人はオフィルのことを噂でしか知らず、その内容はでたらめなものばかりだ。しかし、そんな噂を流す者たちにも口を揃えて語ることがいくつかある…
まず、オフィルが海の彼方の世界の果てに位置しているということ。そして、オフィルには普通の動物が存在しないということ。馬の毛は白と黒の縞模様をしており、牛の尾は尻ではなく顔から生えているというのだ。
となれば、オフィルの商人が普通の人間の姿をしているのは驚くべきことだろう。彼らは1つの頭とあるべき数の手足を持ち、正しい位置に尻がある。だがその交渉術は悪魔のようであり、北方人には作れない見事な品を生み出すことができるのだ。
北方諸国の民は、オフィル人の目に野蛮人として映っている。その先進性で知られるニルフガードですら、彼らからすれば未発達な国と言えるのだ。オフィルの商人たちは大陸を渡り歩き、スコイア=テルによる奇襲やさまざまな苦難を味わうことでその考えをさらに強めることとなった。
“普通の動物が存在しない”とあることから、新カードとして登場したトラやラクダ、コブラなどは恐らくオフィル固有の生物なのでしょう、また“馬の毛は白と黒の縞模様をしており”はシマウマ、“牛の尾は尻ではなく顔から生えている”はゾウのことをそれぞれ指していると思われます。
また、ウィッチャー3で商人のデュラ・カマーニは自身の故郷であるオフィルについて次のように話しています。
いわゆるオフィルとは、様々な国や民族の集まりのことを指す。
大草原がどこまでも広がり、山々がそびえ立ち、澄み切った湖と未開の原野がある。
滅びた帝国、栄華を極める王国、決まった支配者を持たないが神話の中に原初の世界の記憶を伝える数々の部族が混在する。
ニルフガードも羨むような立派な塔の立ち並ぶ町に哲学者、医者、数学者、魔術師たちが住んでいる。
ウィッチャーの世界地図、ニルフガード帝国の更に南の地図に載っていない大陸にオフィルは存在している。
オフィルの歴史~起源から現在に至るまで~
起源の伝説
オフィルの古い伝説にはこうあります、
かつて空と草原が愛で結ばれ、そして最初の雌馬が生まれた。
人間と言う生き物はあまりに弱く、あらゆる危険に晒されていた。馬は人間を守り、乳を飲ませて育てた。人間が強く育つと、馬は彼らを背に乗せ、戦士として敵と戦ったのだ。
オフィル人が「馬たちが気高く、敬意を払うべき存在である」と考えるのはこの伝説によるものでしょう。
ニブラス王の統治
長い間オフィルは様々な王国が盛者必衰を繰り返してきたが、1270年代になり遂にニブラス王によって統一されました。
1272年、ニブラス王は王室御用達であるデュラ・カマーニに王に相応しい装備の設計図を託し北方へと行かせました。
ニブラス王はそれらの設計図をその土地の支配者であるラドヴィッド5世に贈り物として献上することで交易を深めようとしたのです。
時を同じくして第三次北方戦争の間、戦象や不死隊を含む大量のオフィルの軍隊がニルフガードと戦う北方諸国を支援するために連れてこられました。
※参考 グウェントに登場するオフィルの軍隊
彼らが北方諸国勢力のカードなのは上記の理由だからであり、イラストではニルフガードや(ニルフガードと協力関係にあった)スコイア=テルと戦っている様子が描かれている。また彼らは皆特徴的な兜と仮面をつけている。
ニブラス王の真の目的
ところが、ニブラス王がデュラ・カマーニを北方諸国へ送ったのには交易を深めるとは別に真の目的がありました。ニブラス王にはシルバト王子という息子がいて、王子は以前、北方諸国で行方不明になっていたのです。
オフィルからの最初の遠征を率いたのはデュラ・カマーニであった。とは言え、彼らの武器や煎じ薬にはそれ以前にも大陸へ渡った形跡が見て取れるため、正確には“記録が残っている限り”最初の遠征と呼ぶべきだろう。
加えてデュラの遠征が知れ渡ることとなったのには、あるひとつの側面が関係している。知識の探求や交易というのは、オフィルの真の目的を隠す建前に過ぎなかった。
強大なるニブラス王によって遣わされた彼の使命は、北方諸国への旅の途中で消息を絶った王の息子を探すことであった。しかしこの任務は不幸な結末を迎える。
王には息子の死が伝えられ、デュラはアッパーミルで次なる支持を待つこととなったのだ。辺境の暮らしに疲弊しつつ、彼は故郷への帰還を切望した。
~グウェント「オフィルの商人」報酬手帳より~
不幸な王子様の結末
ここから先の展開はウィッチャー3を遊んだことのある方ならご存知でしょう。王子は旅の途中でイリスというレダニア人の女性貴族と恋に落ちました。彼女の両親はこれを大変喜び、結婚の話をすぐさま進めました。しかし、これに納得がいかなかったのが彼女の以前の婚約者であったオルギエルド・フォン・エベレックです。彼女の父親から一方的に婚約の破棄を言い渡されたオルギエルドは、怒りから王子を呪い屈辱を与えることにしたのです。
その後、呪われた怪物となった王子はオクセンフルトの下水道に潜みはじめました。下水道に巨大なカエルに姿を変えられた異国の王子様がいるという噂は次々に広まり、人々はその怪物を「カエルの王子様」と呼んだのです。カエルの王子様は街の水路を汚染して病気を引き起こしため、事態を重く見たレダニア軍は1272年に下水道を閉鎖し調査を始めました。そして、王子が苦しむ姿を見るのに飽きたオルギエルドは、呪いを解く代わりにウィッチャーのゲラルトを雇ってカエルの王子様を殺させることにしました。もちろん、ゲラルトにその正体が本物の人間の王子様であるという真実は知らせずに…。
オルギエルド(左上)とその妻イリス(右上)、カエルの王子様(左下)とゲラルトに斬られ致命傷を負い呪いの姿が解けた王子(右下)
オフィルの主要人物(グウェントに登場するキャラクター含む)
ニブラス王
オフィルを統治する“マリク”、行方不明の息子を探すためにデュラ・カマーニを北方諸国へ送る。オクセンフルトの下水道で息子が亡くなったという知らせを聞いた後、息子を殺したウィッチャーのゲラルトの首を持ってくるようオフィルの戦士たちに命じた。
シルバト王子
ニブラス王の息子、王位継承前に大陸について学ぶため北方諸国を秘密裏に訪れていた。略奪愛でイリスと恋仲になったことから、オルギエルドに呪われ巨大なヒキガエルの姿に変えられる。そして数年後、何も知らないリヴィアのゲラルトによってオクセンフルトの下水道で殺されてしまう。
アマード
ニブラス王に使える宮廷魔術師、シルバト王子の呪いを解くためオクセンフルトに派遣された一団を率いていた。ちょうどゲラルトが王子を殺す場面に立ち会い、相応の罰を与えるべきだと考えゲラルトを逮捕する。その後、船でオフィルに帰還しようとするものの突然の嵐に遭遇し船は難破。陸路での移送を試みるも最終的に拘束を解いたゲラルトと対峙し殺される。
レイデヤ
アマードの死後、彼のポストを与えられた宮廷魔術師。
デュラ・カマーニ
オフィルからの第一次遠征隊を率いた王室御用達の商人。レダニアに来る途中で船が嵐に襲われ大破したが、彼の同僚であるルーン細工師、最愛の馬と共に生き残った。その後、アッパーミルに拠点を置きオフィルの工芸品等を売りながら活動を続けた。彼が北方へと派遣された表向きの理由は知識の探求と交易だが、真の目的はシルバト王子の捜索であった。
ルーン細工師
「学者兼工芸家で職人と魔術師でもある」と自称する人物。ルーン細工(武器や防具に文字を彫り新たな能力・特性を追加する魔法的な技術)という先進的な加工術を北方諸国へと持ち込んだ人物。
マラアル
ニブラス王に仕える暗殺部隊の隊長。
以上、オフィルとそれに関連する登場人物についての解説でした、この記事がウィッチャーの世界観についての理解を深め、グウェントがより楽しくなる手助けになれば幸いです。それではまた次の記事でお会いしましょう!
【オフィルの商人】 NeverHoodTV's レイデヤOTSスコイア 【Deck紹介】
デッキ解説
Twitch配信者NeverHoodTVが使用していたレイデヤOTSスコイア。MMR2484到達。
※OTSとは「ワンターンシナリオ(One Turn Scinario)」の略で脚本を1ターンに第二章まで進める動きのことをさす。
エルフを軸としたデッキだが《パーシヴァル・シュッテンバッハ》や《駆け出しのドリアード》などの調和シナジーも採用されている。
このデッキ最大の特徴として今環境ではあまり見かけないリーダーアビリティ《調和の呼び声》に《レイデヤ》を採用していることが挙げられる。
《死んだふり》+あらかじめ《レイデヤ》で生成した《アイン・シーデのサーベル》+リーダーアビリティで任意のエルフユニットをプレイ、もしくは、リーダーアビリティで《死んだふり》+《アイン・シーデのサーベル》+手札から任意のエルフユニットをプレイ、で1ターンに一気に脚本を第二章まで進めることができる。これにより相手のアーティファクト破壊などの影響を受けることなくユニットを大量に展開するテンポプレイが可能になる。(リーダーアビリティで最大構築コスト12までのスコイア=テルカードをプレイできる)
またその他には《レイデヤ》または《巨大オーク樹》をサーチできる《アルズールの複十字》や、新環境で多いスワーム型のデッキに強い《圧殺の罠》を採用しているのも特徴的。
《神秘の残響》や《急所攻撃》に飽きたという方は是非。
デッキリスト
https://www.playgwent.com/ja/decks/5ceb7131cf59328ba428f6acc037d7da
入れ替え候補
《ヴリヘッド旅団の竜騎兵》→《調教された鷹》
ソース
プレイヤー情報
NeverHoodTV
グウェント カード背景・設定トリビアその1~ハヴカーとは?~
ハヴカーとは
ハヴカーはスコイア=テルに武器や備品を高値で売り、他人の不幸で私腹を肥やす日和見主義的な密輸業者集団である。
彼らは取引を破り、“クライアント”を適正価格やインセンティブで売り払うことで知られ、しばしばエルフと人間の悪化する関係を利用して利益をあげている。
ハヴカーは人間族とエルフ族の両方から蔑視されている。彼らの構成員は主に人間であるが、数人のエルフやドワーフも所属している。
有名なハヴカー
・パヴコ=ゲイル
・コルダ
余談
ジークフリード(ゲーム版ウィッチャー第一作目に登場)によると彼らの“ハヴカー”という名前はエルフ語で「貪慾」を意味する言葉に由来するという。
グウェントに登場するハヴカー
ハヴカーの密売人
「金払いのいい奴か、それが無理なら金をむしれる奴にしか味方をするつもりはない」
兵士たちによる監視をかいくぐり人間社会で物資を密輸するハヴカー。
ハヴカーの支援
「金を持ってる限り、エルフだろうが、ドワーフだろうが差別はしない」
スコイア=テルのエルフの戦士と取引をするハヴカー(右)、荷車には沢山の武器が積まれている。
ハヴカーの癒し手
「ええ、手当てをしてあげましょう。値は張るけどね」
野戦病院となった洞窟でスコイア=テルの戦士の手当てをするハヴカー。
「奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ」におけるハヴカーの説明
『ハヴカーたちは嫌われ者だ。スコイア=テルと取引をしているため人間には軽蔑され、不名誉な種族の裏切り者としてエルフの戦士たちからの評判も悪い。だがハヴカーたちは、周りからの視線を気にも留めていない。カネが手に入るなら、彼らは誰とでも取引するだろう。』
一部翻訳元:WITCHER WIKI
【鉄の裁定】新カードプレビュー【北方諸国編】
※新カードの個人的な感想を述べていきます。
カード単体としての評価
1~10点の10段階評価
デッキ構築を含めたカードの評価(カード単体が強くてもデッキに採用されにくいと評価低)
S:メタの中心、環境を変えるほどのパワーカード
A:多くのデッキによく採用されるパワーカード
B:本格デッキの根幹となるほど強いカード
C:本格デッキに採用される場合もあるカード
D:ごく稀に本格デッキに採用される場合もあるカード
E:弱い・使用されないカード
※本格デッキ=ネタデッキではないTier上位のデッキ
新キーワード
遮断(Barricade)→アーマーがある限り発動する持続的なアビリティ。
無防備(Exposed)→アーマーが無くなると発動するアビリティ。
守護者(Defender)→相手はこのユニットがいる列の他ユニットを対象に選べなくなる。
レジェンダリー
Donimir of Troy
9/10点 S
満を持して発表された北方諸国の守護者(Defender)。
守護者(Defender)とエンジンユニットを多く抱える北方諸国は非情に相性が良く、さらにこのユニットはシールドもあるため除去には数手かかり倒しにくい。
相手がこのユニットの処理に手間取っている間に、エンジンユニットを盤面に並べ終えれば試合の結果は決まったも同然だろう。
逆に言えば、北方諸国と対戦時にこいつを通されたらほぼ負けなので、このユニット(や他の守護者)をメタるために浄化が必須になる時代がくると思われる。
Philippa: Blind Fury
2/10点 D
敵軍ユニット1体に4ダメージを与えた後、3、2、1ダメージをランダムな敵軍ユニットに振り分ける。
上手くダメージが振り分けられれば11点分の働きになる、上手く振り分けられれば。
《ファリバー》の有能さが実感できる素晴らしいカード。
シャニ
8/10点 B
活力とアーマーを付与するチャージユニット、《トライダムの歩兵》や《ナサニエル・パストディ》と相性が良い。
シャニは海外でも人気のキャラなのでもっとぶっ壊れた性能で来るかと予想してたが意外にこじんまりした感じのカードになった。
流石にβ版のシャニは実装できなかったか。
エピック
Trollololo
6/10点 C
大型除去にかからないようにアーマーを蓄えておき、最後に自身を一気にブーストすることができる。
補給で2アーマーを得られるが軍事カードが現状息してない(新環境でも息しそうにない)のでこの効果を有効活用するのは難しそう。
Voymir
7/10点 B
北方諸国版《ヴリームド》のようなカード。
《ヴリームド》より対象となるユニットの条件が緩く、その代わり1ブースト1アーマーのバフとなっている。
コピーして盤面に並べた《刺青隊の精鋭兵》に使ってラウンドを取りに行っても良いし、《ドラウグ》で変身させた後の《ケィドウェン軍の亡霊兵》にフィニッシャーとして使っても良い。
このユニット自体5点もあるので北方のドラウグデッキではコスト以上の活躍が十分見込めそうだ。
レア
Mad Charge
4/10点 D
自軍ユニット1体に3ブースト2アーマー、更に騎士がいれば2活力を付与する。
騎士と言えば決闘ユニットだが、活力を活かすとなると《トライダムの歩兵》や《ナサニエル・パストディ》にバフするのがベストか。
同コストの《ルーン文字》と違って《トライダムの歩兵》を《ヴィゴの口輪》や《アーダル・エプ・デヒー》のアビリティの圏外に逃すことができるのは大きい。
というか軍事カテゴリが全然追加されなくて(今回の新拡張でもこれ1枚のみ)ジョン・ナタリス大尉が全く息してない件について…。
Radovid's Royal Guards
5/10点 C
決闘持ちユニット、特に《アンセイス王子》との相性は抜群。
このユニットを前ターンに間接列に置いておき、次ターン近接列に置いた《アンセイス王子》に命令でバフを付与することで戦力値6アーマー2の決闘ユニットが完成する。
コモン
Redanian Archers
6/10点 C
勇躍で1ダメージ(チャージ1)、またターン終了時にアーマーを持つ場合1チャージを得るエンジンユニット。
放置すればとてつもない打点を生み出すので、相手からすればマストで止めるべきユニットになるだろう。
アビリティが強い代わりに、デフォルトのアーマーが2しかなく列移動にも弱い、また5コストなので《門》から召喚できないのも現環境ではマイナス。
Redanian Knight
7/10点 B
遮断で毎ターン自身を1ブースト、更にアーマーが無くなると無防備の効果で相手の最高戦力値ユニットに2ダメージを与え近接列に移動する。
《マグネ師団》のように毎ターンブーストしつつ、小さいダメージへのカウンター効果も持ち合わせており、相手が封印や移動を使ったり4点以上のダメージでこのユニットを倒さないと無防備の効果が発動する。
除去を強要するという意味ではコスト4とは思えないくらい高性能だと思う。
Redanian Elite
5/10点 C
気軽に出せる5コス7点ユニット、《ヴィッセゲルド》との相性が良い。
無防備効果を発動させられてしまっても少なくともコスト分の働きはする。
そもそも相手がこれに除去を吐いてくれるならそれはそれでありがたい。